貯金・節約を考えるなら『ふるさと納税』はしない方が良い
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『ふるさと納税』の利用者は年々増加しており、平成30年の利用者は約300万人にもなったそうです。

私も長年ふるさと納税を利用してきた身ですが、ある理由により今年からふるさと納税を利用することをやめました。

 

300万人も利用しているふるさと納税ですが、私がやめた同じ理由と同じ理由で、実質的に損している人がかなりの数いるのではないかと思っています。

この記事では、お金のことを考えて貯金や節約、財テクをしているのであれば、『ふるさと納税』はしない方が良い理由を紹介していきます。

 

前提:ふるさと納税は”納税”ではなく”寄付”である

『ふるさと納税』という名前ではありますが、正確には”納税”ではなく”寄付”です。

 

ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄附ができる制度のことです。手続きをすると、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。多くの自治体では地域の名産品などのお礼の品も用意! 寄附金の「使い道」が指定でき、お礼の品もいただける魅力的な仕組みです。

 

ふるさと納税(寄付)した金額から2000円を引いた金額が、翌年の所得税や住民税の還付・控除が受けられるという仕組みです。

 

では、なぜ2000円を引かれるのかは知っていますか?ほとんどの方がご存知ではないのではないでしょうか。

なぜかと言うと、『寄付金控除』という考えが元になっている制度だからです。これは寄付した金額から2000円を引いた金額(寄付金控除額)を、住民税や所得税から控除しますという制度です。

これがあるから、ふるさと納税も寄付した金額から2000円を引いた金額なんです。

 

ふるさと納税のメリットを再検討

ふるさと納税のメリットは、細かいものを含めれば10個くらい出てきますが、最も代表的な『実質2000円の負担で返礼品が貰える』ということについて再検討していきます。なぜかというとここに落とし穴があるからです。

実質負担は2000円だけで返礼品が貰える

ふるさと納税が身近に感じられるようになり、始めるきっかけになったのが返礼品ではないかと思っています。

その人の年収によりますが、数万円寄付をして実質2000円の自己負担で地方自治体から様々な返礼品を受け取ることができます。

返礼品の例としてAmazonギフト券、高級牛肉、ビール1ケース、お米などがありますが、確かに複数の地方自治体に寄付して、いくつもの返礼品が貰えるとしたらお得です。

 

『2000円で返礼品が貰える』という言葉だけで考えるとしたら、間違いなくお得な制度です。

私自身、子供が生まれた際はオムツやお尻拭きなどの返礼品を目当てにふるさと納税を行っていました。妻にも同じ地方自治体でふるさと納税をさせてたので、半年間くらいは赤ちゃん用品に困ることがなかったので大変助かりました。

 

2000円を引いた残りのお金はどこに行ったのか?

「実質的に負担した2000円」があるということは、「実質的には負担していないお金」がどこかにあるということです。

ふるさと納税をしたことがない人、もしくは経験者でもよくわかっていない人は、そのお金がどういう風に流れているかを考えてみて下さい。

 

今年2019年の10月12日にふるさと納税を5万円行ったとします(ワンストップ特例制度を利用)。ということは、まず5万円を地方自治体に支払い(寄付)、手持ちのお金が5万円マイナスになります。

何か月か後に地方自治体から返礼品が届きます。この時点ではまだ寄付した5万円に動きはありません。

それから約9か月後、毎年6月は新しく住民税が決定する時期なので、2020年6月あたりから寄付金が控除されて安くなった住民税が適応されていきます。

その際、控除される金額は5万円から2000円を引いた4万8千円。「本来の住民税から4万8千円を引いた金額を徴収しますよ」ということになります。例えば本来今年は年間で50万円の住民税を払わないといけないのに、控除されて45万2千円の支払いで済むというような感じです(この例えの金額などはテキトーです、詳しくは税理士に)。

このように住民税から控除されるので、実質的に2000円の負担で済みますよということです。

ここでようやく4万8千円を「実質的には負担していないお金」にすることができます。

 

しかし、この控除にこそふるさと納税をやらない方が良い理由があります。

 

住民税が控除されても実感できない

ここで気づいた人もいるかもしれませんが、ふるさと納税は実質的に税金の前払いをしているだけです。本来ならば来年になったら払えば良かったはずの税金を、今年中に支払わされているのです。

 

そして問題なのが、控除されてもお金が戻ってくる感覚がないことです。

上述した例で言うと、4万8千円分の住民税が安くなっているので、その分給料の手取り金額が増えます。しかし実際にふるさと納税をやってみるとわかるのですが、手取り額が増えている感覚がありません。それはなぜか。4万8千円が1回で処理されるわけではないからです。

ワンストップ特例制度を利用した場合、所得税には触れられず住民税だけです。そして住民税は還付ではなく控除なので、あくまでその年の住民税が4万8千円安くなりますよという制度。

そのため4万8千円が1年かけて徐々に戻ってくるということなので、お金が戻ってくる感覚が全くないと言って良いほどありません。

 

結局手元には1円も残らない

これまで毎月貰っていた給料がほんの少しだけ手取りが増えている、そんな状況がふるさと納税によって行われた住民税の控除です。

しかし「ほんの少しだけ増えてる」と実感できるだけまだマシです。皆さんは今月の給料の手取りが、去年の同月と比べて多いのか少ないのかすぐにわかりますか?覚えているわけがないですよね?

 

たった数千円増えたところで、手取りが増えたと実感は出来ません。それに毎年給料はぴったり同じではないので、それに伴い支払う税金も変化します。なので、数千円程度では手取り金額で増えてお金が戻ってきたと実感することはまず不可能です。

 

それに先ほど、ふるさと納税は税金の前払いだと言いました。つまり前払いした分は元に戻して収支をゼロにしなければなりません(実質負担の2000円は除く)

しかし仮に少し増えた感覚があったとして、その分のお金を毎月口座に戻して、支払った分をしっかり回収できますか?ほぼ100%の人が無理だと思います。必ずと言い切れる程、日頃の生活の足しにしてしまうはずです。手取りが増えた感覚がなければなおさらです。

 

結局のところ、ふるさと納税で返礼品を受け取って実質2000円で得した気分になったとしても、2000円を引いた残りの金額を回収できないので手元には1円も残りません。『何万円も出して地方の特産品を購入した』というむなしい結果が残るだけです。

 

最後に

私自身、結構お金にはうるさい方の性格で、それなりに知識も持っており実行にも移してきた自負があります。そんな私ですら、ふるさと納税による恩恵を100%受けられていません。過去を振り返ってみれば、むしろ損をしてしまっていると思います。

『お前と一緒にするな!私は控除された分のお金もしっかり管理できる!』と自身のある方なら、それはそれで良いです。いらん心配でした。

しかし大半の方はおそらく、ふるさと納税を行っても結果的にはお金を無駄遣いして終わると思います。しかも、おそらく無駄遣いしてしまったことに気づかないことがほとんどではないかと思います。

「貯金をしたい、節約したい、お得に生活をしたい」と考えている人はちょっと待ってください。確かに制度をちゃんと理解して100%活用できればお得ですが、現実的には難しいことのように感じているので一度考え直しても良いかと思います。

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